この世界に生きるのに、霊的な知識は必要か?

私たちは普段、自らが酸素を取り入れ、二酸化炭素を吐き出していることを意識していない。同様に、からだの無意識のはたらきによって、いのちが維持されていることも意識していない。しかし、それでも私たちは充分生きていけるし、そのような知識は生きることそのものにはまったく必要ない。シャーロック・ホームズは言った。

君は地球が太陽の周囲を回っているというが、たとえ地球が月の周囲を回転しているとしても、そんなことで僕の生活や僕の仕事に、なんの変化もおこらないんだからね。

コナン・ドイル著『緋色の研究』

霊的な知識も、これと似たようなものだ。生きていくために、絶対に必要な知識ではない。

だが、私たちは、

地球が宇宙の中心にある

とか、

太陽系には地球しか惑星がない

などと言われると、かなりの違和感を覚える。ましてやそれを、「真実」として突きつけられると、どうにも頷きがたくなる。それが、自分の知識と、あるいは実感とは異なるからだ。私が昨今巷にあふれるスピリチュアルの「教え」の多くに違和感を覚えるのも、この理由からだ。

もちろん、私の言うことが真実だとは限らない。しかし、私が

私から見て、これはオレンジに見える

と言って、

そんなバカな。これは緑だ

と言われても、私からそれがオレンジに見えることに変わりはない。だから、それが私にとっての「真実」である。

そうやって、全員が全員「私にとっての真実はこうだ」と言っていけば、いつまでも「真の答え」にはたどり着けないではないか?

あなたはそうおっしゃるかもしれない。しかし、意外にもそうとは限らない。これについても、おいおい書いていくつもりである。

ここまで来ても、あなたはまだ納得できないかもしれない。それでもいい。そのうえで私は、こう言いたい。私は、私自身が実感し、かなりの程度確信を深め、そのうえで説明できることしか書かない。そして、あなたが思っているよりも、スピリチュアルの世界は私たちのすぐ近くに存在し、私たちに影響を及ぼしている。ちょうど、酸素がそうであるように。

だから、スピリチュアルな知識は、生きていくうえで「必要」ではないが、うまくいけば人生を「より豊かにする」可能性を秘めている。そしてさらに言えば、あなたがひょんなことからスピリチュアルな世界とつながりを持ったとき、そこで必要以上の混乱を避けることができるかもしれない。そのとき大切なのは、自分にとっての「真実」を自分のアタマで追求することだ。ここで私が始めた活動がその一助になれば、それは私にとっても、大きな喜びである。