資本主義が、いずれ必ず崩壊する最も単純な理由

現在の社会は、「経済危機」の真っただなかだ。以前は「資本主義」に対する「社会主義」(共産主義)があり、互いに覇権を争っていたが、今や「経済」と言えばほぼ資本主義一色であり、それが「グローバル経済」と名を変えて世界的に猛威を振るっている。そして、いよいよそれが終わろうとしているのだ。

その理由は様々に挙げることができるが、最も単純なものを挙げればそれは「利子」の存在だ。「カネを借りれば利子を付けて返さなければならない」ということは、カネが増殖していくことを意味する。そしてカネは地球上のあらゆるものを喰い尽くしていく。カネは万人によって作り上げられた「幻想」をエサに、無限に増殖してゆく。だが、ここに当たり前の事実がある。カネが無限に増殖しようとしても、地球は有限であるということだ。だから、このシステムが永続しないことは、誰の眼から見ても明らかだ。

誰か金融工学や利子に詳しいひとがいたら計算してみてほしい。西暦紀元1年1月1日に100円を銀行に預金したと仮定する(もちろん、実際の歴史ではありえないことだが)。そしてあなたはその日から毎日100円ずつを貯めていった。そして、銀行はあなたの預金に対し、毎年0.1%の金利を払い続けたとする。すると現在、紀元2012年3月16日までにその100円はいくらに膨れ上がっているのか?「複利」というものがどのような勢いで成長していくのかが、実感できるはずだ。

また、現在の世界各国の借金の総額はいくらなのだろうか? 日本の借金はもう間もなく1000兆円を突破しようとしている。これは日本のGDP 、あるいは税収の何倍だろうか? このことを考えるだけでも、このシステムの破綻を意識しないことは不可能だろう。

イスラームの聖典『クルアーン』では、利子を取ることは強く戒められている。近年ではこの教えに則り、「イスラム銀行」などというものもできている。とはいえ、このような銀行でもなんらかの「利益」が生み出されている。それはたとえば、「投資の利潤」というような名目で。

それに、単に「利子」を廃止したり、「貨幣制度」を廃止したりしただけで、この世の問題がすべて解決するとは到底思えない。あらゆる「制度」はその社会の成員の「意志」と「理想」に基づいて作られ、維持されるものだからだ。そしてその「理想」は「共有」され「再生産」され、そして「継承」されていく。だからはっきり言ってしまえば、どのような制度でも行き着くところまで行かないと根本的には変革できないという見かたもできる。現に、私自身もカネを介して生活を成り立たせているし、私個人が「方向転換」を図ろうとしてもそれは容易ではない。

ただ、近代に作り出された「経済」のシステムは今いよいよ崩壊しようとしている。そしてその後新たな社会システムができたとき、それは「新時代」の幕開けを意味するものとなるだろう。それがどんな時代であるにせよ、それを創り出すのは他でもない私たちだ。そしてそれは、もう始まっている。