自然に親しめば、あなたも必ず元気になれる

私たちは普段から、いつも「エネルギーを交換し合って」生きている。これは端的に「感情は伝染する」とも言える。だから理論的には

「元気なひとのそばにいれば元気になれる」

と言ってもいいのだが、多くのひとは現代文明に取り込まれているので、「元気なひと」はともすれば「主張の強いひと」にもなりかねない。それにあなたが本当に落ち込んでいるときに

だいじょうぶだよ、なんとかなるって!

と励まされても、素直に受け取れなかったり、むしろ逆効果になってしまったりすることさえある。かといって相手のほうも、落ち込むあなたになにも言わないわけにもいかないだろう。そんな様子にあなたのほうもさらに気を遣い、元気ではないのに元気になったふりをしたりする。しかし相手のほうもそれに気付いていて、内心なにもできない自分の無力さに思い悩む……。

こんなことになったら、いったいなにをしているのかということになるし、実際には本当に「気心の知れた間柄」というのが存在して、相手がそんな関係ならお互いに元気になれる場合もあるのだが、現代では病んでいるひとが多く、上に挙げたようなぎこちない状態になってしまう場合も少なくない。なぜこんなことになってしまうのか。人間同士の場合、どうしても

自分がなんとかしなければ!

というような「責任感」が生じてしまう。それに幼いころから「競争社会」で育てられてきた私たちは自分をさらけ出すことに恐怖を感じてしまう。こうしたことから、本当に落ち込んでいるときというのは、むしろうまく他者に頼れないことも多いのである。

ではそんなときは、どうしたらいいのだろう? ひとつの単純な解決策は、

「自然に親しむ」

ということだ。

「自然に親しむ」と言っても必ずしもアウトドアスポーツをしてみたり山登りに挑戦してみたりしなくてもいい。ただ少し郊外に出て、森や海や山の見えるところで、静かにひとときを過ごせば充分だ。ただ、病んでいるときは「焦燥感」に囚われやすいので、自分が思っているより長めの時間を確保してみてほしい。そうすれば少しずつでも、あなたは必ず元気を取り戻せる。

なぜなら、自然は文字通り「エネルギーの宝庫」だからである。人間がどれほど元気があると言っても、自然のエネルギーとは比較にならない。それに自然は

あなたを元気づけよう

としてそこにいるわけではない。ただそこにひたすら「在る」だけである。だからあなたがどんなに泣こうが喚こうが愚痴ろうが知ったことではない。そんなものでは自然はびくともしない。ただ、受け止めてくれる。あなたが何時間そこで過ごそうが、気も遣わないし追い出しもしない。そうした圧倒的な「受容」の環境のなかに身を置けば、あなたは必ずや、元気になれるのである。

これはいつも私自身が身を以って体験していることでもある。私はひとのことも大切に思ってはいるし、実際いつも助けられているのだが、疲れたときに大人数の華やかな集まりに行きたいとは思わない。落ち込んだときに酒を呑んでも楽しくなれないことも多い。そんなとき、私はいつも自然のなかに身を置く。それができなければ、自然の風景写真や絵画を見るだけのこともある。それでも効果が感じられるものである。

友達はひとりもいないと寂しいものだが、今現在そんなひとが思いつかないとしても焦る必要はない。それはいずれ必ず見つかるし、あなたには「自然」という友がいるのである。そのことに気付いてほしい。そして自然に親しんだとき、あなたは「世界」とつながり、すべてがあなたの「仲間」になるのである。