近親霊や過去世の自分と争うのは、有害で巧妙な罠である

先祖が過去に犯した業のために、我が家に災いが起きていると言われました

今私がこれほど不幸なのも、過去世で悪行を重ねた報いなのですね

このような捉えかたはしばしば耳にするし、私のもとに直接そのようなことを言いに来る方々もいる。しかし、よく考えてみれば、「先祖」や「過去世」というのは実のところ非常に曖昧な存在である。3代くらい前の先祖ならまだしも、それ以上にさかのぼった先祖の人生など、ほとんど確かめようがない。

それに、そうやって延々とたどっていけば、私たちはいずれどこかで必ず他者を傷つけたり、悪行を犯したりしたひとがいることに気付くだろう。日本の歴史から考えても、それは明らかである。まして過去世ともなれば、無限とも言える学びの過程で自分がなにをしてきたかなど憶えていないし、仮に思い出せたとしたら、まったく悔いのない生を送ってきたと言えるひとなどほとんど誰もいないだろう。私もまた、さかのぼっていけばどんな荒くれた先祖や、大罪人の過去世があったとしても、まったく不思議でないどころか、むしろ必ずあるだろうと確信しているのである。

だが、だからと言って私たちは、自分が会ったこともないひとや、憶えてもいない行動をした過去世の自分の影響で、いつまでも不幸でいなければならないのだろうか?

それはまったくおかしな話なのである。しかし、それらは手の届かない存在であるからこそ、ある種特別な「権威」を持つものとして恐れられてしまうことがある。だから、ときに「霊能力者」から

あなたの不幸は先祖の因縁によるものだ

過去世のあなたの悪行の報いが今の苦しみなのです

などと言われてしまうと、それは確かめようもないうえに、言われてみればそれなりの説得力もあるので、結局それが真実かのように思い込まされてしまうことも多いのである。

しかし、私ははっきりと言いたい。近親霊や過去世の自分と争うのは、有害で巧妙な罠でしかない。そんな洗脳や思い込みからは早く自由になってほしいと、私は切に願っているのである。

考えてみてほしい。あなたが霊存在になったとき、あなたの子孫や近親者に不幸になってほしいなどと思うだろうか? もしそんな霊がいたら、それは完全に誤った価値観であり、変わるよう諭されるべき存在なのであるが、基本的にあなたの先祖や近親者はあなたのしあわせを願っているのである。

しかし、私は実際に霊能者からそう言われたのです

と言うのなら、それでも私はこう訊き返したい。

それは本当に、あなたの先祖や過去世なのでしょうか?

たとえあなたが実際に見たり関わったりしたひとが、本当に横暴な荒くれ者で、思い当たる節があったとしても、話しかたや服装などの特徴が、生前のものとそっくりだったとしても、それだけで確実にそれが当の本人だとは言い切れない。なぜなら霊存在のなかには、相手の先祖や過去世の名を騙り、その「権威」を利用して相手を支配し、負の念を糧に生きることを選択した方々が、まだまだたくさんいるからである。そして彼らもその道で生きてきた方々であるのだから、力ある存在であればある程度の「擬態」はお手のものなのである。それが私の体験から見た、私なりの確かな真実である。

そして、彼らは相手の想念に巧妙に入り込む。そして実際に周囲のひとびとの想念をかき回すことで、不幸に陥れることもできる。さらに重要なのは、このとき私たちの味方になってくれるはずの存在こそが近親霊や過去世の自分、あるいは守護霊であるのだが、

先祖や過去世の自分に不幸の原因がある

と思い込ませることは、それらの防御を打ち壊し「内輪もめ」を引き起こすのに、相手にとってこれ以上なく効果的な手段なのである。

では、そんなときはどうすればいいのだろうか?きちんと方法はある。あなたが「主体」を発揮することだ。それを自分の掌に取り戻せば、どんな存在もあなたに敵いはしない。だから具体的には、

私は私自身や私に関わりのある者たちに危害や苦しみを与えるような霊団や存在とは、今このときから金輪際手を切ります。そして私は自らの守護霊や縁のある方々とともに、穏やかに生きていきます。これは私自身が主体的に決意した選択です

というように、はっきりと宣言すればいい。もちろん、細かい部分は自分の言いやすいように変えていい。口に出せなければ心のなかで言うのでもいい。もし周囲に理解があるのなら、一緒に宣言すればなおいいだろう。ただ、ここで最も必要なのは根気だ。すぐには効果が出なくても、日々強い決意を持って続けていけば、最終的には主体を持たない相手が折れることになる。相手を甘く見てはいけない。だが途中で投げ出しさえしなければ、最後には必ずあなたが勝るのである。

このことを理解して、実際に行動に移せば、必ず変化が現れる。逆に言えば、その行動を起こさせないことが相手の生命線であるとも言える。だが、あなたには大勢の仲間がいる。だからまずは

「仲間を仲間だと理解する」

ことが大切なのだ。今までは仲間を敵だと思い込み、勝手に自滅させられてきたのである。そんなことはもうやめにしようではないか。すべてはそこから変わっていく。そうすればいずれ相手も変わることになる。そしてあなたは多くの仲間とともに、笑顔で生きていけるのである。