先日、

と書いた。そこでも書いたことだが、あなたも必ず持っている
真実を知りたい
という想いを改めて自覚し、それを育み、表現していけば、必ず誰でも真実に近づいていける。だがその過程は、やはり難しいものでもある。
それは「真実」がたとえ1つであったとしても、その「受け取りかた」は見るほうの立場や想い、それにそれまでの価値観や先入観によって、多様にも変わり得る可能性を持っているからだ。そしてそういったものからいかに自分自身を解き放ち、曇りなき眼で見ようとしても、それを完全に行うことはほとんど不可能だとすら言えるほどに難しい。だから、同じ「真実」を見たとしても、それをどう受け取り、どう意味づけ、どう自分の行動に活かしていくかには、依然として少なからぬ「幅」が生まれる。そこが、この道の奥深さであり、険しさである。
だからここから当然の帰結として導かれる答えから、私も眼を背けることは決してできない。それは、
私が今まで伝えてきた、そしてこれからも伝えていく「私の意見」には、多かれ少なかれ必ず、誤りが含まれている
ということだ。
もちろん私はそれに今日初めて気づいたわけではない。だから今までも、
私の意見を決して鵜呑みにはせずに、自分なりの立場から「検証」し続けてください
とお願いしてきた。そして最初期に

を書いたときから、私はここに
「私の実感、経験、そして相当程度の確信」があるものしか書かない
という軸を立てている。
だがそれでもきっと、私の意見にはまだ、どこかに誤りが含まれているだろう。たとえそれが私にとって
「限りなく真実に近い」
と思えているものであってもだ。もちろんそれがないことに越したことはないし、私自身それが可能な限り少なくなっていることを願っているのだが、それでも私は、
私の言っていることは、徹頭徹尾混じり気のない、完全な真実です
とまでは言い切れない。そしてこれからも、それを完全に言い切れる日が来るとは思えない。
だから私は、その点についてまず心から謝っておきたいと思う。本当に、申し訳ありません。
そしてそのうえで、私が言えることはなにかと真剣に考えるなら、それは
それでも、私を信じてください!
ということではないだろう。しかしかと言って、
私を信じないでください!
というのもおかしい。もしそうなら、最初からなにも言わなければいいのだから。それにこれは、自分自身の心にも嘘をつく、不誠実な態度である。
だから私は、この2つの言葉に代えて、こう言いたい。
どうか私を、よく見てください
と。信じるか信じないかというような話は実は核心ではないと思うのだ。ただあなたには、私をよく見てみてほしい。そうすれば、私が以前から言っているような、

私は少なくとも「意図的な悪意」を持ってあなたに嘘をついたり騙そうとしていたりはしない
と言っていることも含めて、その意味を少しずつでも理解してもらえるのではないかと思うのだ。そしてそれが、真の意味で「私を検証する」ということにもつながる。それを私は、心から願っているのである。
私がここにいるということ、これもひとつの「真実」である。だがそんな私をどのように見るかは、あなた次第だろう。そしてそれは確かに、どうすることもできない。だが私は、ここで話を終わらせることもできない。だから私はこれからも、私の想いを、体験を、あなたに真摯に伝えていきたい。そしてその伝えかたを、ずっと工夫し、少しずつでもより好いものにしていきたい。私は、あなたに伝えたいから。それは、
こんなにも広くて深く、多様な世界のなかで、私とあなたは出逢うことができた
という真実を、大切にしたいからだ。
ですが私は、まだまだ未熟者です。それもまた、一切の申し訳ない真実です。こんなただでさえ信じがたいような話を、簡潔にまとめることも、ましてや真実だけを抽出して話すこともできなくて、本当にごめんなさい。けれど私は、その真実を受け入れたうえで、だからこそ少しずつでも、成長していきたいと思います。そして私がそう思うことができているのは、あなたのおかげです。あなたが見守ってくれるから、見放さずにいてくれるから、私はこうして生きていられるのです。本当に、言葉で言い表せないほどの感謝が、いつも私の心にあります。だからなおさら私は、あなたに少しでも穏やかで、笑顔でいてほしいと思っています。そして、この真実の想いがあなたに届く日が来ることを、私はずっと、心から願っています。
追伸:ここまで書いて、ふと今日(昨夜)印象的な夢を見ていたことを思い出しました。それは私が1枚の油絵をもらう夢でした。そこに描かれていたのは、
「足のない女性が、リンゴの絵をずっと眺めている」
というものでした。そのリンゴの赤さと、それを見つめる女性の表情、そして絵の背景の蒼の(赤と対比されてなお映える)美しさが、今また強く思い出されます。ただ私はそれを実際の絵として表現する画力もありません。それに今ここに書いておかなければ、いずれこの夢のことも、忘れ去ってしまうでしょう。ですが私はやはり、その「絵」から感じる、そしてそこに魅かれる強い想いを抑え込むことができません。だから私はこれからもずっと、こうして生きていきます。支えてくださって、ありがとうございます。

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